2017-01-11

ドナルド・トランプの激しい女性攻撃の裏側に何があるのか


ドナルド・トランプ次期大統領は非常に好戦的で、アメリカに不法入国してくるメキシコ人を罵ったと思ったら、今度はイスラム教徒に対する不信をあからさまに表明したりしていた。

さらには自分を攻撃してくる女性たちについても容赦なく反撃し、その容姿さえも「太った豚」「イヌ」などと嘲笑したりしていた。

大統領戦でも共和党から出馬していたカーリー・フィオリーナに対して「あの顔を見てみろ。だれが投票するだろうか」と攻撃していた。

最近はメリル・ストリープがやんわりとドナルド・トランプを批判したらすぐにドナルド・トランプはツイッターで「メリル・ストリープは、ハリウッドで最も過大評価された女優のひとり」とこき下ろしている。

ドナルド・トランプは「売られた喧嘩は買う」という性格である。誰かに何か言われたら、それが誰であれやり返さずにはおられない。

そのため「この候補は非常に人種差別主義者だ」と大統領選挙中はずっとマスコミに攻撃され続けてきた。マスコミ、著名人、企業人、投資家はこぞってヒラリー・クリントンを支持して、ドナルド・トランプをこき下ろした。

しかし、グローバル・メディアが見向きもしない底辺のアメリカ人が選んだのは、ドナルド・トランプだった。


「ポリティカル・コレクトネスを粉砕して欲しい」


こうした数々の「暴言」を問題視され、攻撃され、マスコミに敵視されてきた荒削りの男が次期大統領に選ばれたというのは、どういうことなのか。

実はアメリカに蔓延る行き過ぎた「ポリティカル・コレクトネス」に対する激しい反撥もあると分析されている。

「ポリティカル・コレクトネス」というのは、「政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のことで、職業・性別・文化・人種・民族・宗教・ハンディキャップ・年齢・婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐ目的の表現を目指すもの」と説明されている。

言ってみれば、「差別のない言葉遣いをしよう」という崇高で美しい運動でもある。

ドナルド・トランプはこうしたポリティカル・コレクトネス運動とは完全に対極的なところにいる。

その数々の暴言は、政治的な正しさを追求する人々から見れば「許しがたい暴言」であるのは間違いなく、だからこそドナルド・トランプはずっと「差別主義者だ」と罵られてきた。

ところが、名もなきアメリカ人は、そうした状況を分かった上で、この「暴言王」「差別主義者」を選んだのである。

ドナルド・トランプの暴言によって、「ポリティカル・コレクトネスを粉砕して欲しい」という願いがそこに込められていたとも言える。

なぜ、そんなことになったのか。

それは、「ポリティカル・コレクトネス」の中に、大きな欺瞞が含まれていたからである。ポリティカル・コレクトネスは、少数派への差別や嘲笑は激しく糾弾したが、多数派への差別や嘲笑は容認していた。

もっと具体的に言うと、アメリカにおける多数派というのは、「白人男性」を意味している。

ポリティカル・コレクトネスを進める黒人団体や女性団体は、自分たちに対する攻撃は差別だと糾弾するが、白人男性に対する差別に対しては放置していた。

「少数派が差別をタテにして多数派を差別している」


黒人男性が「自分の肌の色に誇りを持つ」と言えば崇高な考え方であると見なされる。

しかし、白人男性が「自分の肌の色に誇りを持つ」と同じように言えばどうなるのか。それは、「傲慢で、支配的で、差別的だ」と見なされる。そして差別主義者だと言われる。

女性が「自分たちの性(ジェンダー)は強い」と言っても何も思われないが、男が「自分たちの性(ジェンダー)は強い」と言うと、やはり「傲慢で、支配的で、差別的だ」と見なされる。そして差別主義者だと言われる。

そのため、白人男性は、もはや自分たちに誇りを持つことも許されなくなり、攻撃されても反撃すらもできず、ポリティカル・コレクトネスの前に黙って口を閉ざすしかないような社会情勢に放り込まれていた。

こうした流れは2000年代からすでに始まって、バラック・オバマ時代になって一気に加速していったと言われている。

言いたいことが何も言えない。攻撃されても耐えるしかない。この白人男性の抱える閉塞感と不満は、もはや頂点にまで達していたということもできる。

そんな中で、アメリカでは「オルト・ライト」と呼ばれる集団が生まれるようになっていった。

この「オルト・ライト」はポリティカル・コレクトネスを真っ向から否定し、そしてこの運動を進めるフェミニストや黒人団体に対して激しい嫌悪を表明するようになった。

「少数派が差別をタテにして多数派を差別している」

これが「オルト・ライト」と呼ばれる集団の現状認識だった。ポリティカル・コレクトネスというのは要するに「差別利権」だという現状を認識し、反撥するようになったのだ。

この「オルト・ライト」の人々が熱狂的に支持したのが、少数派にも女性にも歯に衣着せない攻撃を行う男ドナルド・トランプだった。

ドナルド・トランプが次期大統領に決まってすぐ、オルト・ライトの雑誌「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」を発行していた男スティーブ・バノンは主席戦略官に選ばれた。

少数派のバックにはグローバリストがいたということ


「少数派が差別をタテにして多数派を差別する」というのは、世界中で起きている現象だ。

EUでも少数派の移民や難民が「自分たちは差別された、敵視された」と言ってその国の人々を黙らせ、いくつもの特権や例外を奪い取っている。

日本でも在日外国人が「自分たちは差別された、敵視された」と言って日本人を差別主義者扱いして「謝罪と賠償しろ」と詰め寄る集団が存在する。

少数派が、少数派であることを利用して利権や特権を次々と手に入れる。

現場ではそういった不正や事実があることを告発すると、少数派は逆ギレして「差別主義者が告発した」と告発者を糾弾し、不正者が正義に、告発者が悪人にされていく。

なぜ、こうした少数派の横暴が黙認され、増長されるようになったのかというと、世界はグローバル化が猛烈な勢いで突き進んでいたからだ。

グローバル化というのは、その国を破壊し、多数派の力を弱体化させ、最終的には国という概念そのものを崩壊させようとする動きである。

そのためには、多数派である「その国の国民」を弱体化させ、少数派である「移民・難民」を増長させる必要がある。だから、全世界で少数派は力を与えられていた。少数派のバックにはグローバリストがいたということだ。

そう考えると、ドナルド・トランプの激しい移民・難民攻撃、イスラム教徒攻撃、女性攻撃、米国第一の主張はすべて根がつながっていることが分かるはずだ。これらはすべて「反グローバル化」なのだ。

そして、アメリカの名もなき白人の男たちが暴言を連発すればするほど支持するようになった理由も分かるはずだ。ポリティカル・コレクトネスに対する反撥もまた、グローバル化との戦いだったのである。



ドナルド・トランプの激しい移民・難民攻撃、イスラム教徒攻撃、女性攻撃、米国第一の主張はすべて根がつながっている。


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