2017-01-23

東芝のように投資家を裏切る経営者は、経営者の資格はない


長期投資家が手を出してはいけない企業は、信頼できない経営者がいる企業である。

信頼できない経営者というのは、巡回取引のような奇妙な取引を行ったり、粉飾決算を行ったり、巨額損失を隠したり、社長がそれをごまかしたりする企業のことを言う。

どんなに株価が安くなっても買ってはいけない企業というのは、たとえば現在の「東芝」はその典型的な企業である。

西田厚聰、佐々木則夫、田中久雄と、三代に渡って社長が粉飾決算に関わって会社に大損害を与えた。利益の嵩上げは721億円に達していたというのだから、尋常ではない。

室町正志は、経営者の器ではない3人の社長の後任として選ばれたのだが、適当にやり過ごしてその場を収めようとして失敗して、順送りで綱川智を社長にして自分はさっさと降りた。

室町正志は一連の粉飾決算の問題にケリをつけたと言っていたのだが、本当はその逆でアメリカの米原子力子会社ウエスチングハウスの買収に伴う損失問題が残っていて、その責任を負いたくなかったのではないかとも言われている。

結局、2016年12月27日に綱川智社長は、2017年3月期にも7000億円規模の損失を計上する可能性がある」と発表し、関係者を呆れさせた。


典型的な無能サラリーマン社長が続いた東芝の悲劇


東芝がどうなるのかは誰にも分からない。

なぜなら、歴代社長3人は粉飾決算を進んで行う愚かな経営者で、その後を継いだ社長は現状を把握できていない経営者で、巨額損失をどう穴埋めするつもりなのか、まったく道筋を示せていないからだ。

道筋を示すと言っても、子会社や資産を叩き売って会社をどんどん縮小させて、正社員を軒並みリストラするくらいしか道は残されていない。

東芝は粉飾決算で株主に莫大な損害を与え、1万人を超えるリストラや人員整理を行い、さらに給料の削減を行い、その上でやっと「何とか問題解決した」と宣言した。

ところが、その舌の根も乾かぬうちに、また7000億円規模の損失が発生するというのだから、典型的な「巨大企業崩壊」の道に突き進んでいると言っても過言ではない。

東大や早稲田出身の人間が経営に関わり出すと組織が崩壊するとはよく言われることだが、西田厚聰は東大で、佐々木則夫は早稲田だ。東芝もそのジンクスから逃れられなかったと指摘する人もいる。

これらの人間は、自分がトップに君臨して自己陶酔するのが目的で、組織そのものをさらに飛躍させようとするような経営者スピリットはないことが多い。

自分が社長になったり、経団連のお偉方になるのが目的なのである。

だから、自分が社長の時は滞りなくやり過ごせればいいという発想になり、企業はそのまま地盤沈下していく。

歴代社長3人は粉飾決算も、自分が社長の時は滞りなく大過なくやり過ごせればいいと思っていたわけで、それが粉飾決算の隠蔽の連鎖につながっていった。

問題と失敗は隠蔽し、トラブルが露呈して自分が責任を取らされそうになったら、さっさと自分だけは逃げて次期社長や社員にツケを払わせる。これが典型的な無能サラリーマン社長の特徴である。

こんな企業に長期投資する意味を見出すのは難しい


現在、東芝は仕手や空売り勢や安物買いのトレーダーのおもちゃの道具になって株価も乱高下している。東芝がこうした胡散臭い人間が群がる株式になったというのは、東芝がボロ株同然になったという証拠である。

東芝については、本来は2015年の時点で東証一部から追い出して上場廃止にすべきだったという意見もあったが、歴史があったが故に温情でそのまま上場が維持された。

今後、政府やステークホルダーの銀行団が「大きすぎて潰せない」と介入して助けるのか、それとも見捨てて倒産させるのかは、様々な利害がぶつかり合って最終的に決まることになる。

上場廃止で最も痛手を被るのは株主である。上場廃止になった時点で、経営者に騙された上に株式を売ることもできなくなって大きなダメージを食らう。

だから、足元がフラフラのまま東芝は東証一部で上場を続けているのだが、上場が続けられているから買っていいという話ではない。投資どころか、投資家から集団訴訟を起こされても仕方がない会社でもある。

むしろ、長期投資家はこうした「名ばかりの大企業」に金を賭けるべきではない。いくら株価が安くても関係ない。単に株価が安いと飛びつくのはサヤ取りをするギャンブラーである。

今の東芝は、決算は信頼できず、経営者は信頼できず、配当もゼロになり、確固たる事業基盤もあるわけではなく、今後はどのように成長できるのか将来が描けない。

そんな企業に賭けるというのは、まともな投資家のすることではない。

どのみち、7000億円規模の損失が発生する可能性があると言われているので、東芝は今後さらに過激なリストラと子会社清算の嵐に見舞われる可能性が高まっている。下手すれば会社の存続にも関わってくることになる。

「不祥事は買い」とは言われるが、こんな企業に長期投資する意味を見出すのは難しい。そもそも、信頼できない経営者になぜ自分の大切な資金をあずけなければならないのか、という話である。

無能なサラリーマン社長がいる一流企業が凋落する


東芝はすべてが駄目なわけではない。技術と歴史のある数多くの子会社を持ち、半導体やヘルスケアやインフラ部門では東芝の技術力は燦然と輝くものがある。

そのため、無能な経営者が一掃されてまともな経営者の下で再建が行われた場合、東芝は再び日本を代表する優良企業として歴史を刻むシナリオもゼロではない。

しかし、そのような起死回生のシナリオがあったとしても、現在の東芝を買うという決断には問題が多い。

なぜなら、無能な経営者がまだ残っているし、債務超過の激震はこれからも続くし、優良資産としての子会社を切り売りしたら、最後に東芝本体に何が残るのか分からないからだ。

要するに何もかも不透明であり、不安定である。

このような、どうなるのかよく分からない会社を拾い、配当も出ないのに持ち続けるというのは馬鹿げている。

こんな会社の株式を買うくらいなら、きちんと配当を出して安定した経営がなされている企業の株価を長期で持った方が報われる確率が高い。

わざわざ難しいところに賭けなくても、簡単なところに賭けた方がよっぽど報われる。

信頼できない経営者に金を預けて信頼できる結果が戻って来ると思う感覚がどうかしている。

普通は、まともな経営をして利益もきちんと出している信頼できる経営者に金を預けたいと思うはずだ。そうなっていないのだとしたら、その時点で頭がどうかしているとしか言いようがない。

「信頼できる経営者が会社を率いている」というのは、とても重要なことだ。今の日本は、大過なくやり過ごそうと考えている無能なサラリーマン社長が老舗企業にあまりにも多すぎる。

今後も、そんな無能なサラリーマン社長がいる一流企業が凋落していくことになるはずだ。投資家を裏切る経営者は、経営者の資格はない。



東芝の経営者はあまりにも投資家を裏切り過ぎる。今後も、そんな無能なサラリーマン社長がいる一流企業が凋落していくことになるはずだ。投資家を裏切る経営者は、経営者の資格はない。


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