2017-02-23

貧困の地獄へようこそ。もう社会は私たちを守ってくれない


日本信用情報機構の2017年1月末時点でのデータによると、消費者金融に登録されて、尚かつ口座に残高がある名寄せベースでの登録件数は1544万件であると言われている。登録人数にすると1042万人。

その中で、3ヶ月以上未入金のままにされている口座は18万件、1年以上に渡って未入金の口座は合わせて337万件あるという。

分かりやすく言うと、1000万人以上がサラ金での貸し借りに関わっており、そのうちの3分の1は返せなくなっているというのが日本社会の裏側にあるということだ。

ちなみに、この日本信用情報機構の数字にはそこに加盟していない中小や零細の会社や、「ヤミ金」と呼ばれる違法業者は含まれていない。こうした諸々を含めると、実態はもっと膨れ上がる。

日本の人口が約1億2000万人であることを考えると、10人にひとりは「ヤバいことになりかねない借金」に関わっているということだ。

日本人の10人に1人は、いったい何のためにサラ金で金を借りているのか。ギャンブルなのか、贅沢品の購入なのか。いや、その実態を見ると、なかなか興味深いことに気付く。


10人に1人はサラ金を利用、3分の1は生活維持


NTTデータ経営研究所では消費者金融利用者のタイプを5つのタイプに分類している。それが、生活維持借入タイプ、一時借入タイプ、趣味・娯楽タイプ、多重借入タイプ、小額借入タイプである。

では、その中で一番多かったのは何か。

それは「生活維持借入タイプ」で、これが36.5%を占めていたと言われている。ギャンブルで身を持ち崩したというようなものではない。生活費なのだ。それが、ほぼ3分の1である。

政府、日本銀行、地方公共団体、民間団体等が関わって中立な情報を提供している「金融中央委員会」のデータを見ても似たようなデータになっている。

それによると「低収入・収入の減少(生活費・教育費の不足)等」が26%で圧倒的多数を占めており、これに「商品・サービス購入」という実質的に「生活維持借入」と思われる項目を足すと、32.5%となる。やはり約3分の1となる。

つまり、日本人の10人に1人はサラ金を利用しており、そのうちの3分の1は生活維持のためである。

GDPで見ると世界有数の先進国であったとしても、「生活を維持するための金がない」という理由で借金をしている人たちがいるというのが現状だ。

借金はしていないが、貯蓄する余裕もないギリギリで生きている家庭も多く、現在は4世帯に1世帯は貯金などできない収入の中で暮らしていると言われている。

このような世帯が世帯主の病気やケガや精神的な問題や失職や転職などで収入が途絶えたとき、「生活維持」のために銀行や消費者金融で金を借りるようになっていく。

しかし、「生活維持」のための借金というのは、経済成長の消えた社会では非常に深刻な問題をもたらす。

借金は「未来の収入の先取り」である。ということは、生活維持のために今は一時的に楽になっても、未来になると借金と金利分は確実に収入が削減される。未来になって収入が増えていないと生活はますます苦しくなる。

グローバル化を取り入れた国が直面している光景


現在の世界経済は、ある種の社会的な転換地点にある。グローバル化が推し進められることによって巨大企業は多国籍化していき、先進国の人件費の高い労働者を避けて新興国の安い労働者に働かせるようになった。

その結果、先進国ではリストラや非正規雇用化が常態化して雇用がひどく不安定になり、中流クラスが次々と転落していく姿が目に付くようになっていった。

これはグローバル化を取り入れたすべての国が直面している光景である。

日本もまた例外ではない。年功序列や終身雇用が日本企業の特徴であり、それが社会の安定をもたらしていた。しかし、グローバル化という弱肉強食の資本主義が2000年代から始まった。

それによって、これらの日本式の古き良き経営スタイルは次第に消え去っていき、日本人もまた中流クラスが今までの生活を維持できなくなってしまった。

日本人の多くが「働いても働いても我が暮らし楽にならざり」というワーキングプアの世界に突入し、生活維持すらも困難な「貧困層」が増えるようになっているのである。

日本社会はここに高齢化問題も直撃しており、生活保護受給者もどんどん増え続けている。このまま高齢者のすべてを生活保護で面倒を見るようなことになると財源はパンクする。

そのため、日本政府は「65歳から74歳までは高齢者ではない」と言い出すようになっている。

終身雇用から弾き飛ばされた人たち、ワーキングプアに落ちた人たち、貯金も仕事もない60代以上の人たちのすべては、ちょっとしたことで「生活維持」が困難になる確率が高い。

それはつまり、「生活維持のためにやむなく借金をする」人が増えるということであり、こうした人が増えれば増えるほど、逆に将来は今の生活でさえも維持できないことになる。

どんな罠や落とし穴があるのかを知っておくべき


生活を成り立たせるには、「収入を増やして節約する」という二点を繰り返し行うことが必要だ。しかし「収入を増やす」というのは、誰もが目指して辿り着けない苦難の道である。

だとすれば、誰でもできるのは「節約する」という一点に絞られるのは間違いない。

節約しても生活が苦しいのであれば、考えなければならないのは、生活を維持しないでダウングレードするということだ。

仮にもし私が何らかの事情で収入も貯金もないどん底に突き落とされたとしたら、何の迷いも躊躇もなく生活のダウングレードを実践する。それが合理的かつ正しい解決方法だからだ。

間違えても「生活維持」のために金を借りることはない。

消費者金融に金を借りれば、年間にして18%近く、あるいはそれ以上の金利が乗せられる。金がないから金を借りるのに、皮肉なことに金がない人間ほど金利が高いのである。

消費者金融はマズいと思って銀行やカード会社から金を借りても同じことだ。リボ払いでもした日には消費者金融と変わらない金利と化す。(金融機関が強く求めているのは「永遠の経済的奴隷」である

もし、節約とダウングレードによって金融機関から金を借りることを避けられたとしたら、それだけで15%から18%の出費が避けられる。

逆に言えば借りないで節約するだけで、15%から18%が貯金できる可能性があることを示唆している。投資で年間15%から18%の利益が出せるということは、5年以上経つと資産が2倍近くになっているということなのだ。

そう考えると、生活維持のために金を借りるという選択肢は、最初からない方がいい。

生活維持のために金を借りるくらいなら節約を、節約でも間に合わなければダウングレードを、それでも駄目なら今の職場や仕事や生活が根本的におかしいということなのである。

今後は、さらに弱肉強食の資本主義が苛烈になり、格差と貧困が鮮明化する。社会のどん底に堕とされていく世の中で生きるためには、金融サバイバルが必要になってくる。

「貧困の地獄へようこそ」と社会が誘っている。

もう社会は私たちを守ってくれないのだ。国も企業も資本主義の論理で私たちを突き放す。あなたは、金融の罠や落とし穴に落ちる前に、どんな罠や落とし穴があるのかを知っておかなければならない。





あいりん地区にて。貧困の地獄へようこそ。もう社会は私たちを守ってくれない。国も企業も資本主義の論理で私たちを突き放す。あなたは、金融が仕掛ける罠や落とし穴に落ちる前に、どんな罠や落とし穴があるのかを知っておかなければならない。


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