期間限定・数量限定キャンペーン

2017-05-08

ニコンもリコーもこのままではインターネットに破壊される


かつてのイーストマン・コダックはフィルム製造メーカーとして世界最大の企業であり、稀に見る優良企業として世界に君臨していた。

写真に関わるのであれば、コダックは欠かせない企業だったのだ。創業は1881年なので、その事業は136年になる。コダックは信用と安定の企業だった。

しかし、2000年代に入ってからコダックの経営は急激に悪化していた。なぜか。この頃からデジタルカメラが本格的に普及するようになり、徐々にフィルムを駆逐するようになったからである。

プロは相変わらず一眼レフを使用して、デジタルカメラの品質を「素人レベル」と馬鹿にしていたのだが世の中の大半は素人だ。

素人にとって、現像しないとどんな写真が撮れているのか分からないフィルムよりも、撮ったらすぐに確認できるデジタルカメラの方が圧倒的に利便性が良いのは明白だった。

だから、見る見るうちにデジタルカメラが席巻して、フィルムを使う本格的カメラは隅に追いやられるようになってしまい、気が付けばプロまでもがデジタルカメラを当たり前に使用するようになった。


スマートフォンがデジタルカメラを駆逐する時代


この流れにイーストマン・コダック社は乗り遅れ、事業は縮小と赤字の連続を余儀なくされ、結局は2012年1月19日、連邦倒産法第11章の適用をニューヨークの裁判所に申請し、株式市場から姿を消した。

2013年には事業の再建もメドが立って再びNYSEに上場を果たしたが、もう往年の面影はまったく残っていない。

コダックは何が悪かったのか。

それは、時代の流れがすでに変わっていたのに、どうしても主力であったフィルム事業に拘泥し、そこから逃れられなかったことである。時代が変わったのだが、コダックは事業を変えられなかったのだ。

ではデジタルカメラを製造しているメーカーはこれから「我が世の春」を享受するのか。たとえば、ニコンやキャノンやカシオやソニーやオリンパスや富士フイルムやリコー等は、事業として安泰なのか。

デジタルカメラ市場を独占しているのは日本のメーカーなのだが、これらのメーカーは今後もずっとデジタルカメラを製造して生きていけるのか。

答えは「ノー」だ。

デジタルカメラが市場を席巻していたその最中、携帯電話にはカメラが付いていたのだが、そのカメラの品質は非常に悪く、プロのカメラマンはその品質を馬鹿にした。

しかしアップルがアイフォーンを発売し、以後スマートフォンが主力になると、カメラの性能はどんどん向上するようになっていった。今やその品質は一眼レフと並ぶようになっている。

最近のアイフォーンは最上位機種で背景をボケさせる一眼レフ特有の機能をソフトウェアで搭載するようになっている。

こうした技術はやがて低価格機種にもブレイクダウンされる可能性が高いので、そうなるともう素人は一眼レフを買うことはなくなってしまう。

かつてデジタルカメラがフィルムを駆逐したように、今度はスマートフォンがデジタルカメラを駆逐する時代となっているのである。

日本の企業群が、危機的なまでに売上を落とす


「スマートフォンのカメラは口径が小さいので、光源の弱い夜はノイズだらけになり、この欠点は絶対に克服できない」と巷で言われていた。

ところが、である。最近になってグーグルの技術者がこうしたノイズの画質をソフトウェアで克服できる可能性を示唆している。

確かにレンズのみで克服できないのだが、それをソフトウェアで処理することによって一眼レフ並みのクオリティにすることができるようになるのだ。

このアプローチはアップルがアイフォーンで一眼レフのボケをソフトウェアで実現させたのと同じものだ。つまり、今後はスマートフォンがソフトウェアで一眼レフの品質を作り出す時代がやってくる。

これは何を意味しているのか。それはデジタルカメラを製造する日本の企業群が「危機的なまでに売上を落とす」ということである。

具体的に言えば、ニコンやキャノンやカシオやソニーやオリンパスや富士フイルムやリコー等は、このままでは今後10年のうちに屋台骨が揺さぶられる。

場合によっては存続の危機まで追い込まれる企業も出てくるはずだ。

一眼レフの名門であるニコンが、かつてのイーストマン・コダックのようになったとしても不思議ではない。もしニコンがドラマチックな方向転換ができないのであれば、スマートフォンがニコンにトドメをさすことになる。

時代が急激に変わっているのだ。これからカメラ業界は危険な時代に入る。

すでに「Flickr(フリッカー)」のような写真共有サイトも、インスタグラムのような写真SNSも、大半はアイフォーンをはじめとしたスマートフォンで撮られた写真で占められるようになっている。

インターネットが既存の企業を破壊して回っている


日本企業や日本の企業文化はあまりにも動きが鈍すぎる。

すっかり時代に取り残された業界として目も当てられないのは出版業界なのだが、この業界では未だにファクスでのやり取りが為されていて呆気に取られたことがあった。

すでにインターネットがこれだけ社会に膾炙したのだから、ファクスは駆逐されていなければならないし、はっきり言ってコピー機を使うこと自体も時代遅れと言っても過言ではない。

ということは、コピー機を製造するリコーなども今後は苦境に落ちていくということであり、こうしたデジタルカメラやコピー機の売り上げに頼っているようであれば、もうこの会社も先がないということでもある。

インターネットは今までの歴史ある日本企業の多くを時代遅れに追い込み、駆逐する危険な「産業破壊の道具」になっているのである。

これから企業を見る時は「インターネットに駆逐される業界なのか、伸びる業界なのか」を判断して投資なり就職なりをしなければ地獄に堕ちる。

日本では、インターネットを見るのがスマートフォンが主流になったことでデジタルカメラ製造メーカーが苦境に落ちているのだが、これからは量販店もやがて経営が傾いていくことになるはずだ。

すでにアメリカでは、巨大ショッピングモールやデパートがことごとく業績を落として最悪の事態に突入しつつある。ウォルマートやシアーズやメイシーズ等も生き残れるのかどうかは未知数である。

インターネットは、自分に最適化されない企業をことごとく破壊して回っている。だから、インターネットに溶け込めなかった企業やビジネスモデルは駆逐されるしかない。

最近になって、日本の家電メーカーがことごとく競争に敗れ、場合によってはシャープや東芝のように地獄の底にまで落ちていく企業も出てきている。

これで終わりではない。



精巧を極めたカメラ機の世界は日本企業の独壇場だったが、この精巧さはソフトウェアに取って変わられ、業界が時代遅れになってしまう。ニコンもリコーもこのままではインターネットに破壊される。


お願い

ダークネスの本文を他サイト(キュレーションメディア、まとめサイト、個人サイトすべて)へ転載する行為は、いかなる理由があっても固くお断りします。