2017-08-09

人類は最後に、技術革新による巨大な副作用で地獄に落ちる


世の中は何でもそうだが、行き過ぎれば行き過ぎるほど、それを支えるコストが増大していく。そして、最後にはその重みで自壊する。

製品は何でも年を経るごとに複雑化する。社会の仕組みもまた年を経るごとに複雑化する。

最初はシンプルな存在であっても、最後は致命的なまでに複雑化して、社会全体が閉塞してしまうのである。

複雑化することを人は「進化」とか「発展」と呼んで、それを歓迎する。

これからも、どんどん進化し、発展して欲しいと望む。退化して欲しいとか、現状維持で良いとか、シンプルなままでいいと思う人はひとりもいない。

人間は退屈なのだ。だから、いつも何か新しくなっていて欲しいと思う。また、企業も新製品を出さないと会社が存続できないので、追われるようにして新しいものを出す運命にある。

発展しなくてもいいとか、むしろ退化してもいいと言うのは、資本主義社会を根底から破壊してしまう危険思想だ。だから、それは顧みられることは絶対にない。現代社会は進化と発展から逃れられない。


技術革新を崇拝する人たちで世の中は溢れている


世の中を進化させ、発展させるのは、その土台に複雑化の上に成り立つ技術革新(イノベーション)がある。

技術の発展で世の中は劇的に便利になり、すべての人がその恩恵を受けている。だから、技術革新を否定する権利など誰にもないと人は思う。

そうなのだ。あまりにも技術が発達していくことの「メリット」が巨大すぎて、それを否定できる人はもう世界中どこを探しても存在しない。

洗濯機、カラーテレビ、クーラー、電子レンジ、パソコン、スマートフォン、インターネット……。これらのものは、世の中をどんどん変えていった。

さらにこれからもドローン、自動運転、ロボット、仮想現実、人工知能という凄まじいイノベーションが待っている。

個人の生活を激変させたイノベーションは山ほどある。便利なものが発明されて一般化し、多くの人たちに普及し、それは人々を楽しませてきた。

だから、イノベーションを崇拝する人たちで世の中は溢れている。もちろん、あなたもそのひとりだろう。しかし、そこに闇も生まれている。

便利になった世の中の裏側で何が起きているのか。

人類を絶滅させるほどの、巨大で暴力的なイノベーションも同時に発展しているのだ。技術革新がマイナスの方向に向かって突き進み、暴走している。

人々は、誰もが薄々それに気がついている。

飛行機が発明されて人類は飛ぶことができるようになったが、その飛行機はすぐに「軍事」に転用されて、人間を殺戮するための道具になった。

かつての原始的な拳銃は、すぐに大砲となり、爆弾となり、原爆となり、水爆となり、劣化ウラン弾となり、バンガーバスターとなった。

ドローンも空を飛んで空撮したり、物を運ぶ用途で使われることが想定されているのだが、やがてこれも盗撮の道具となり、さらには戦場で爆弾を運び生物兵器を運ぶ危険な道具と化すだろう。

イノベーションは物を作り上げるために役に立つと同時に、物を破壊する技術にも応用されている。

イノベーションを全否定して原始時代に戻れない


1発で数十万人を殺害する原爆は1945年に使用された。

広島と長崎の悲劇は今でも世界中の人々の恐怖と共に記憶に残されている。(原爆が投下された広島の惨劇は、いよいよ重みを増していく

イノベーションは人を助けるために役に立つと同時に、人間を完全に破壊してしまう技術にも応用されている。

それでも、多くの人たちがイノベーションに否定的になれないのはイノベーションの恩恵にたっぷり浴しており、今さらイノベーションを全否定して原始時代に戻ることは事実上、不可能になっているからだ。

その結果どうなるのかは、容易に予測できる。何の歯止めもないまま、イノベーションは暴走し、どんどん人類に対して危険なものへと変貌していく。

軍事産業が作り上げる膨大な殺人兵器は、もはや全人類を何百回も全滅させるほどの威力がある。

軍事産業だけが問題なのではない。現代文明は石油や天然資源を根こそぎ奪って消費する性質を持っているが、そのためにジャングルを切り開き、大地を掘削し、地下資源を収奪するためにも最新技術が使われている。

発展していく技術は効率的に環境を破壊し、破壊し、破壊しまくるのである。

かつて地上を覆っていたジャングルは、もうすでにアマゾンやボルネオやアフリカの一部にわずかに残っているだけで、あと数十年で完全に消え去る。

地球の多様性は完全破壊され、ジャングルは消失していく。

こういった環境破壊が全人類の生存環境を極端に悪化させることは分かっているのだが、誰もそれを止めることができない。

発達していく技術を否定することができない以上、現代文明の裏側で同時に破滅的な状況が生み出されていることを黙認するしかない。

人類は技術革新による巨大な副作用で地獄に落ちる


そうやって環境破壊を黙認している間に、生態系は復元できないほど破壊され、植物の多様性も死に絶え、大気の自浄能力も消えていく。それが最悪の状況を生み出していく。

最悪の状況とは何か。「人類の大量死」である。

人間は、地球の資源を収奪しながら人口を増やして文明を維持している。逆に言えば収奪する資源がなくなってしまえば、一気呵成に自滅していく。

人口はどこまでも増えるのではなく、臨界点にくれば逆に大量死の時代に入るとしても不思議ではない。(人口増加が逆転して今度は人間が大量死する世界になるのか?

病気もこれからは治るのではなく、治らなくなる可能性さえも指摘されている。なぜか。もはや既存の抗生物質が効かなくなる時代がくるからだ。(2050年には年間で3秒に1人が伝染病で死ぬ世界になるのか

しかし、そうだとしても、もはや技術革新を進めて文明をどんどん複雑化させる動きは止まらない。

ロボットが人類殺戮兵器となるのではないか、人工知能も人類を凌駕して人類に敵対化するのではないか、と議論が為されているのだが、そのような危険性があってもメリットが重視されて止まるはずがない。

マイクロソフトの創始者ビル・ゲイツは「人工知能は危険だ」と警鐘を鳴らすが、それを受けて仮にマイクロソフトが人工知能の開発を止めても、IBMやアマゾンやグーグルやアップルはどんどん開発を進めていくだろう。

その姿は、まるで突っ走れば崖から落ちて全滅すると分かっていながら突っ走って自滅していくレミングの群れのようだ。

これを止めるためには、全人類が技術革新に負の一面があることを考えて、よく吟味する必要がある。しかし、人類は「発展至上主義」にとことん染まりきっているので、疑問を持つことなどあり得ないのが現実だ。

コンピューターは遅くなってもいいし、スマートフォンも特に必要ないし、インターネットもなくなっても構わないし、新しいイノベーションも要らないと思うことができるだろうか。

技術革新がどんなに巨大な副作用を生み出して災厄になるとしても、人類はそれを求める。だから人類は、最後に技術革新による巨大な副作用で地獄に落ちる。



技術革新がどんなに巨大な副作用を生み出して災厄になるとしても、人類はそれを求める。だから人類は、最後に技術革新による巨大な副作用で地獄に落ちる。


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