2017-12-06

日本女性は、まさに過酷で残酷な生存競争の真っ最中にある


結婚紹介所で「結婚するなら年収1000万円以上の男がいい」と言う日本女性が引きも切らない。7割以上の女性は最初そのように答えるという統計がある。

しかし、「30代前半の独身男性で年収1000万円以上」というのは日本にはわずかに0.14%しかいないと大手結婚仲介サイト「オーネット」のマーケティング部長である西口敦氏は指摘している。

そこで女性たちは年収を800万円、600万円と下げていくのだが、今は年収600万円の男ですら少なくなった。そうした現実を知って女性は愕然とする。

結婚して、金に不自由なく暮らすというのは、今の社会ではいかに難しくなったのか、その現実を結婚紹介所で知るのである。年収1000万円以上は凄まじく難関なのだ。

実はこれと同じことを、バブル時代の日本女性も求めていたことがある。いわゆる「三高」というものだ。三高とは「高学歴、高収入、高身長」を指す。

この高学歴・高収入・高身長というのは、要するに「社会的地位の高い金持ちの男」を意味している。そういった男でないと結婚対象にしたくないと女性は言った。

いつの時代でもそういう傾向はあるが、バブル期は特にそれが顕著だったのだ。


愛よりも属性で男を選ぶ女性を生み出した時代


この「三高」は、最初は女性のシビアな要求というよりも、本音を少し交えた冗談のようなものだったかもしれない。しかし、中には本気でこの「高学歴、高収入、高身長」を求めていた女性もいたのも事実だ。

1980年代の後半になればなるほどバブルの度は深まっていき、世の中が「金こそすべて」に染まった。若い女性たちもまたそんな時代の風潮を敏感に感じ取って贅沢を求め、踊り狂うようになっていった。

本当に日本の女性たちが拝金主義に染まっていったのだ。

こうして女性の要求が高まっていけばいくほど、男たちは女性に反発したり絶望したり困惑したりした。そして、スペックを満たしていない男たちは、次第に結婚をあきらめるようになっていく。

何しろ世の中の男のほとんどは「三高」に当てはまらないし、もし当てはまったとしても、愛よりも属性(スペック)で男を選ぶ女性には嫌悪感や警戒心を持つ。

「こんな女たちは、自分が贅沢したいがために男を利用する気だ」と心の底で思う。

結婚してからもあれこれ要求されたらたまらないし、世の中はいつも良いときばかりではない。困難の時代に入ったとき、「三高」を求めて近寄ってきた女性は、さっさと去っていくかもしれない。

つまり、世の中が拝金主義になって、結婚に対して女性の要求が増えれば増えるほど、男は結婚するよりもひとりでいることを望むようになる。

「三高」を求める女性は、要するに男に寄生する魂胆があると男は感じる。だから、女性が「金こそすべて」に染まってしまうと、男は女性を満足させることができないと思って、自ら身を引く。

「高いスペック」に応えられなくなってしまった


皮肉なことに、「三高」を求める女性が増えていく中で、時代は急激に変化していた。

1990年に入ってから日本の狂乱バブルは急激に崩壊し、株式市場も不動産市場も二度と復活することがないほどダメージを受け、バブルに踊った人たちも破綻していったのである。

日本の経済環境はますます悪化していき、日本人の男は「三高」を満たすことが事実上「不可能」と化した。相変わらず女性が求める「高い属性(スペック)」に応えられなくなってしまったのである。

さらに2000年代に入ると、もっと悲惨なことになった。若年層は仕事すらも見つからなくなって、就職氷河期の中であえぐしかなくなったのだ。

小泉政権時代になると、日本でも自由競争という名の弱肉強食の資本主義が発足した。これによって企業は好きに正社員をリストラし、派遣労働者を使い捨てにするようになっていく。

若年層はみんな追い込まれた。正社員の雇用は極度に減り、非正規雇用しか仕事が見つからない人が増え、若者の貧困と格差が広がっていくようになった。

その結果、どうなったのか。男たちがもう女性と付き合うことをあきらめ、結婚もしなくなった。しなくなったのではなく、できなくなっていったのである。

そんな状況で、女性自身も非正規雇用やパートでしか仕事が見付からなくなっていた。

結婚できない女性が増え、さらに仕事も見つからない女性も増えた。そして、経済の悪化と共に離婚も増えていくようになり、今や三組に一組が離婚するような時代に入っていった。

子供を抱えて養育費ももらえず、苦境に堕ちるシングルマザーも増えた。

2010年代に入ると、もう女性たちは「三高」を求めるどころではなくなってしまっていた。経済情勢が悪化すると、今を生きるだけで精一杯と化す。

「金こそすべて」だったはずなのにどん底に堕ちた


弱肉強食の資本主義は社会の標準となった。

若者の貧困、シングルマザーの貧困、そしてリストラが恒常化したことによる中高年の貧困、増税や年金減による高齢者の貧困が社会を覆い尽くしている。

いまや、ほぼすべての世代に貧困が行き渡っていくようになっている。

そうなると、若い女性やシングルマザーを特別に保護するような余裕も社会になくなっていき、日本の女性すべてがより苦境に堕ちていく。

「三高」の男は限りなく少なくなり、「三高」でない男たちはもう自分が生きるのに精一杯だ。

そのため若い女性は結婚もできず、結婚しても離婚の危機に陥ることが多く、シングルマザーは再婚は難しく、仕事でも最低限の賃金しかもらえなくなった。

最後に風俗に流れ着いたとしても、そこでも競争過多と性病まみれで稼げなくなっていく。

危険なのは、この状況は現在の資本主義の流れから見ると、決して良い方向に好転しないことだ。これから「雇用を削減するイノベーション」が進むことによって、彼女たちの苦境はますます大きくなってしまう。

女性が担っていた受け付け業務も消え、単純な一般事務の仕事も消え、ウエイトレスのような仕事も機械が担い、サポートのコールセンターも人工知能が対応するようになるのだ。パートの、レジ打ちも消えていく。

今まで女性の就いていた職場が、まるで狙い撃ちされているかの如く、ことごとく消え去ってしまうのである。今後、この女性たちが今度どのようになっていくのかは誰にも分からない。

バブル期の日本女性は「金こそすべて」だったはずなのに、皮肉なことに、それを強く望んだ時期から崖から突き落とされるかのように社会状勢が悪化している。

そして、女性たちはどん底に堕ちた。

もう国も、会社も、男も、誰も女性を守らない。家族との関係が希薄であれば、家族すらも守ってくれない。つまり、日本女性は自分で自分の身を守らなければならなくなっている。

生き残れるか破滅するか。日本女性は、まさに過酷で残酷な資本主義の生存競争の真っ最中にある。



もう国も、会社も、男も、誰も女性を守らない。家族との関係が希薄であれば、家族すらも守ってくれない。つまり、日本女性は自分で自分の身を守らなければならなくなっている。


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